道後温泉は、四国地方の愛媛県松山市にある温泉街で、その歴史は非常に古く、日本三古湯と呼ばれています。古くからその存在が文献などで確認されており、昔の名前を「にきたつ」(煮えるような湯の津という意味)と呼ばれていました。
ジブリでも使われた本館
この道後温泉で有名なのが、国の重要文化財にも指定されている道後温泉本館ではないでしょうか。古くから立つこの温泉本館は非常に歴史を感じさせる作りで、見る人を圧倒するような建物です。さすがは重要文化財に指定されるだけはありますね。
アニメが好きな方はすでに知っているかもしれませんが、この道後温泉本館の建物、あるアニメの建物の題材に使われています。もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、そう、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」に出てくる油屋ですね。あの圧倒的なお湯やの作りは道後温泉本館を手本にしているそうですよ。
道後温泉はその歴史が3000年も昔からあると言われています。想像を絶するふるさですよね。文献としての記録上、最古の温泉とも言われています。その歴史は日本の始まりを示したとされる古事記にも登場するほどです。古事記では道後温泉ではなく、伊予国という名前で登場します。伊予国は湯の国が転じてこの名前になったとも言われています。
傷を癒やす効能
この温泉の始まりは、傷を負ったしらさぎが岩の間から流れる水に傷を浸していたところ、傷が癒えて飛び立っていったのを見て、手を浸したところ、それは湯であり、傷を治す湯として効果を確認されたと言われています。昔から温泉にはしらさぎの伝説が残っている場所が多くありますが、ここ道後温泉もそういった影響を受けた場所なのです。
この道後温泉は非常に多くの文献に登場するのが特徴です。文献に何かゆかりがあるのかは知りませんが、文人たちはこの道後温泉を愛しているのは確かですね。古くは源氏物語から、夏目漱石もあの有名な作品、「坊っちゃん」でこの道後温泉を登場させています。
道後温泉は単純温泉で、源泉は約41度から51度程度あります。そこまで高温の泉質ではないですね。現在は県の条例で温泉も塩素消毒が義務付けられており、この道後温泉本館も例外ではなく、賛否両論はありますが、塩素消毒されています。効能はリウマチや胃腸、貧血などにも効果があります。
道後温泉本館は共同湯でだれでも入ることが可能です。しかしその由緒正しき歴史背景から、皇族専用の湯があるんです。共同湯なのに珍しいですね。さすがは古事記に登場するだけのことはあります。